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現代戦闘機の速度

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 軍事をちょっとでもかじったことがある方なら言わずもがなな事ですが、知らない方もいるかと思いまして書いてみました(笑)。

 一昔前の戦闘機はMiG-25がマッハ3、F-15でマッハ2.5と高速を誇りました。ところが最近の戦闘機はF-22でこそマッハ2.5ですが、F-35はマッハ1.6で遅くなっているという印象を持っている方も多いと思います。

 実はここで言う最高速度はアフターバーナーを焚いた上での速度で、実際はF-15でも4分ほどアフターバーナーを使うと燃料切れで墜落してしまいます。通常は亜音速のマッハ0.9とかマッハ0.8くらいで飛行しています。アフターバーナーはあくまで緊急時にしか使えません。

 それよりも普通の飛行時にどれだけ高速を出せるかという能力が現代戦闘機には問われています。一瞬ではなく長時間高速を続けられるかです。通常状態で音速を超えられる能力をスーパークルーズ(超音速巡航)と呼びます。最近の戦闘機はほとんどスーパークルーズ能力を持っていまして、F-22、F-35、Su-57、タイフーン、ラファール、サーブ39グリペンもスーパークルーズできます。

 中でもF-22ラプターは異常でスーパークルーズ状態でマッハ1.8という有り得ない高速が出せます。他の戦闘機はそうではなくようやくマッハ1を超えるくらいですから、F-22がどれだけ高速能力に優れているか分かりますね。その分高価で維持費も莫大なことから早くも退役が噂されているほどです。いかにアメリカ軍といえども、金食い虫のF-22は高性能であっても持て余しているというところでしょうか。

 他国の戦闘機ならF-35で十分だという事なのでしょう。F-35のほうがコストパフォーマンスに優れていますからね。それにアビオニクスの強化でF-35はF-22を超えたとも言われますし。ただ飛行性能自体はF-22だけが他の現代戦闘機より隔絶しています。

 戦闘機の運動性を示す数値として推力重量比がありますが、F-22は1.14あります。これに対しF-35は0.9。推力重量比が1超えると垂直上昇できるそうですから、運動性ではF-22が上だという事です。ドッグファイトならF-22に勝てる戦闘機はないでしょう。ただ現代の空中戦はドッグファイトになった時点で負けです。F-35の優れたところは、高性能なセンサーで敵のレーダー視認外から攻撃できるところです。

 実は推力重量比だけならロシアのMiG-29のほうが1.15あって上ですが、F-22は言うまでもなくF-35に対しても勝負にならないのはそういう点です。日本がイギリス、イタリアと共同開発している次期戦闘機F-3(日本側呼称)がどれほどの能力になるか未知数ですが、最低限スーパークルーズはできるでしょうし、F-35並みの視界外戦闘能力は欲しいですね。
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16式機動戦闘車の主砲威力

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 ちょっとマニアックになり、かつこの方面の知識が薄いのでグダグダな記事になるとは思いますが、気になったので調べてみました。

 財務省の横槍で戦車保有定数を大きく減らされた陸上自衛隊。現在の防衛大綱では300両と機甲師団プラスアルファくらいしか保有できないことになります。その窮余の策として導入されたのが装輪式の16式機動戦闘車。主砲は74式戦車と同じ105㎜ライフル砲ですが、74式の51口径ロイヤル・オードナンスL7A1ではなく、52口径の新型砲です。52口径ですからイタリアのチェンタウロと同じオートメララ52口径105㎜砲と思いきや国産砲みたいですね。

 16式機動戦闘車は91式105㎜多目的対戦車榴弾(HEAT)と93式105㎜装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)を使用します。では93式APFSDSの威力がどのくらいか調べてみました。初期(74式戦車使用時)の威力は初速が1500m/s。距離2000mRHA(均質圧延装甲)換算で貫徹力414㎜でした。

 これだとNATO諸国が使う105㎜ライフル砲用のAPFSDSであるベルギー製M1060A3の初速1560m/s、距離2000mRHA換算で貫徹力460㎜より劣ります。そのため防衛省は93式の威力向上を目指してダイキンに開発を依頼したそうですが、どのくらい向上するのか気になります。

 世界では105㎜APFSDSの技術向上が日進月歩で最新のものは同条件で650㎜の貫徹力のものもあるそうですが、詳細は分かりませんでした。おそらく93式もM1060A3も侵徹体はタングステン合金のはずで、アメリカやロシアのように劣化ウラン弾芯だったらもっと威力が上がると思います。

 一応、現在敵対する可能性が高いロシアの主力戦車T-90Mのデータは分からなかったんですが、そのひとつ前のT-90Aで車体前面、砲塔前面でともにRHA換算830㎜の対運動エネルギー弾防御力を持っているそうですから、真正面からぶつかれば16式機動戦闘車の勝ち目はありません。待ち伏せして側面や背面を攻撃すればワンチャンありそうですが、敵戦車に対しては素直に10式戦車を出すか、対戦車ミサイルなどで対処する方がよさそうです。

 16式機動戦闘車は、ほかの西側諸国の戦術と同じように主力戦車到着までの時間稼ぎの役割しかなさそうです。と言っても戦車以外には使えそうなのでロシアやシナに対しても一定程度の抑止力はあると思います。北海道だけでなく九州も西部方面戦車隊(戦車2個中隊基幹)は少なくとも連隊規模(4個中隊基幹)くらいは最低限ほしいですよね。

 本当は米軍並みに44両定数の1個戦車大隊を各師団に配備したほうが良いんですが。あと虎の子の第7師団は米軍式の5個戦車大隊に機甲偵察大隊の27両を合わせて247両くらい戦車を保有すべきなんですよ。それで旅団戦闘団を編成してくれれば理想です♪

 戦車を減らすのなら16式機動戦闘車でも良いから、各師団に1個大隊(米軍式編制、自衛隊では中隊が連隊に属しているからおかしい)44両定数くらい配備してほしいですね。米軍は贅沢すぎ。歩兵師団も実質機甲師団だし、機甲師団は6個戦車大隊(機甲偵察大隊と合わせて271両?)だから羨ましすぎます!軍事研究2023年12月号によると2023年の米第1機甲師団の戦車保有定数は261両だからどこか減らされているね。編制図を見ると各戦車中隊の本部小隊が戦車2両から1両に減らされているから、それが原因か?戦車中隊は4両定数の小隊×3に本部小隊2両で14両が好きです。13両は数字的にも縁起が良くないような(苦笑)。

 ともかくいつ有事が起こるか分からないんですから、10式戦車、16式機動戦闘車はもっと保有定数を増やすべきだと思うんですよ。せっかく防衛費も倍増するんだし。

馬毛島は日本のスカパフローになるか?

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 スカパフロー、戦記ファンならご存じイギリスのブリテン島北東オークニー諸島にある入り江で本国艦隊(現在は西方艦隊と改称)の一大根拠地です。仮想敵ドイツ海軍がバルト海から北海に出てくる際それを抑える位置にありますし、同じように大西洋に面したドイツ大海艦隊の根拠地ウィルヘルムスハーフェンに対しても掣肘できる位置にあります。さすがに第二次大戦後その重要性は薄れイギリス海軍はブリテン島のデヴォンポート海軍基地(プリマス西方に位置)、ポーツマス海軍基地などが重視されていますが。

 一方、日本の馬毛島。鹿児島県種子島の西方12㎞の東シナ海にある無人島で面積は8.2平方キロです。最高地点でも71.7mしかなく平坦でなだらかな島です。この島が一気に注目されるようになったのは、極東情勢の緊迫化に伴い2010年防衛省が基地化計画を表明したからです。

 長さ2450m、幅61mの主滑走路、横風用の長さ1830m、幅46mの副滑走路を中心に格納庫、貯蔵関連施設などの航空自衛隊設備だけでなく、いずも型などの大型艦が着岸できる仮設桟橋なども建設されます。施設管理・運用要員として自衛官200名ほどが常駐する予定です。人員がいるため当然防衛用の対空、対艦ミサイルが配備されるはずで敵の攻撃に備えて格納庫も掩体壕化されると思います。まさに一大要塞化し、尖閣有事、台湾有事、朝鮮半島有事に備えることができます。

 将来日本にとって、かつてのイギリス海軍のスカパフローに匹敵する重要拠点になると思います。F-35Bの発着艦訓練もここで行われる予定で、シナが発狂しかねない施設になりそうです。なぜか韓国も発狂しそうですがね。日米共同訓練も馬毛島中心に行われるそうで、日本の国防のために頑張ってほしいですね。

航空自衛隊基地のバンカー(航空機用掩体壕)

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 過去記事で航空自衛隊基地には掩体壕がないので、いざ有事に敵がミサイルの飽和攻撃をしてきたら全滅しかねないと指摘しました。防衛予算が限られる中、後方装備や弾薬備蓄の余裕がなかったのは理解できます。ただ、バンカーがないと高価な戦闘機が地上で破壊されるのでバンカー(航空機用掩体)は絶対に要るだろうと思っていました。

 そんな中、ようやく日本でもバンカーの整備が始まっているようです。写真は北海道千歳基地です。見たところ18基しかバンカーは確認できなかったんですが、さらに南に一応バンカーらしきものもあったので合計20機分は確保しているみたいです。とはいえ千歳基地には2個飛行隊があり、半分しか収容できません。

 ネットで調べてみると、虎の子のF-35A部隊がいる青森県の三沢基地には40機分、千歳と石川県小松基地にそれぞれ20機分のバンカーが設けられているみたいです。ただ台湾有事を考えると沖縄県の那覇基地と宮崎県新田原基地、福岡県築城基地のほうが最優先でバンカーを建設する必要があると思います。せっかく防衛費が10兆円規模になるんですから正面装備だけでなく後方施設や弾薬備蓄にも力を入れてほしいですね。

 ちなみに、韓国の青州空軍基地は虎の子のF-35A部隊がいるので厳重なバンカーが設けられていました。日頃韓国を馬鹿にしている向きもありますが、国防に関しては韓国のほうがはるかにまともだと肝に銘じるべきです。千歳基地のバンカー配置はよく考えられているなと思うんですが、小松基地のバンカーの配置はちょっと疑問がわきます。米軍のように角度を変えて複雑な配置にしたほうが一度にやられないで済むと思うんですよ。整備時に面倒くさくなるという欠点はありますが…。

 航空自衛隊がバンカー建設を決断したという事は、それだけ有事が近いのでしょうね。皆さんもグーグルマップで確認してみてください。

世界の潜水艦発射用長魚雷

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 たまたま海上自衛隊の装備する潜水艦発射用長魚雷18式魚雷の性能が気になってネットで調べたんですがほとんど分かりませんでした。さすがに軍事機密なのでおいそれと公表できる代物でないことは十分承知しています。それでは世界の主要長魚雷はどうなのかと調べてみました。

 自衛隊の89式と18式弾頭重量は推定です。300㎏以上あるかもしれませんが最低でもアメリカのMk48程度はあるだろうと思ってつけた最低数値です。ちなみに魚雷には主に潜水艦から発射する対艦攻撃用で大型の長魚雷と、航空機や艦船から発射し潜水艦を攻撃する短魚雷があります。短魚雷は直接発射する場合もあれば、アスロックや07式垂直発射魚雷投射ロケットの弾頭として使用される場合もあります。

 余談ですが、アメリカのMk60キャプター機雷は弾頭にMk46短魚雷を搭載しており、近くを敵艦船が通ると自動発射・追尾して命中するという凶悪無比な兵器です。日本の誇る91式機雷は、機雷そのものが敵艦船を自動追尾していくという送りオオカミのような恐ろしい兵器らしいです。機雷のほうが魚雷よりさらに軍事機密なので実態が分かりません。

 イギリスのタイガーフィッシュとスピアフィッシュの最大深度についても、一応タイガーフィッシュの開発段階で軍は最大深度660m以上を要求したものの達成できず440mで妥協したので、次のスピアフィッシュでは660mを実現できたであろうと想定しての数値です。

 あくまで一般論ですが、西側の魚雷は比較的低速であるが精密誘導できて当たりやすい、ソ連のシクヴァルは200ノットと驚異的速力を誇るが射程が短く命中精度はそうでもないと理解しています。シナや韓国の魚雷に関しては資料がなさ過ぎて分かりませんでした。

防衛力整備計画

将来の自衛隊


 少し前の記事で航空自衛隊の高射部隊が古い資料では18個高射隊(パトリオット発射機×90基)だとされていたが、インターネットで調べると24個高射隊(パトリオット発射機×120基)となっていると書いたと思います。果たして実態はどうなのかと思い、令和5年版の防衛白書を見てみると10年後を見据えた防衛力整備計画で24個高射隊となっているので、現状はともかく将来的にはそうなることは確実なのでしょう。

 18個では少ないと思っていたので良かったです。その他を見ると航空自衛隊の戦闘機飛行隊が現状の12個から13個に増えるみたいですね。これは宮崎県新田原基地にF-35B飛行隊を新設する分でしょう。

 海上自衛隊を見るとイージス・システム搭載艦とわざわざ別枠を設けているのは、売国河野が潰したイージスアショアの代替艦でしょう。これは護衛艦隊の中でどういう位置づけなのでしょうか?現在護衛隊群は4個(横須賀、佐世保、舞鶴、呉)ですが、6個に増勢するという事は、わざわざイージスアショア代替艦のために新たに護衛隊群を新設するという意味なんでしょうか?

 だとしたら人員の無駄使いになると個人的には思いますよ。ただでさえ自衛隊は定員割れしていますから。もしかしたらいずも型2隻を独立させ新たな日本版空母打撃群を新設するという意味なんでしょうか?それなら理解できるんですが。このあたり、防衛白書の本文を流し読みしただけなので詳細が分かりませんでした。もしご存じの方がいればお教えください。

 陸自に関していえば、とにかく人員を増やしてくれとしか言えません。そもそも陸自は甲師団ですら9000名、乙師団で7000名定数と言いながら、一つとして満たしている部隊がいないのは末期症状ですよ。本来なら甲師団で1万5千名、乙師団で1万2千名くらいは居ないとおかしい。旅団が戦時編成で9000名です。米海兵師団みたいに戦時編成で2万1千名などと贅沢は言いませんから。装備の充実、弾薬の備蓄も大事ですが、そもそも陸自はマンパワーが基本です。

 あと災害の時自衛隊を頼りすぎているのも駄目だと思うんですよ。国防が主任務ですからね。私は予備自衛官を20万人くらいに増やし、予備自衛官を州兵化し災害の時臨時招集して派遣すべきだと考えているくらいです。そのためには予備自衛官をもっと優遇し、戦争に行くのは嫌だけど災害救助はしたいという若者を集めるべきだと思うんですよ。ただ、有事の際には銃を取って働いてもらうことは絶対条件です。もっとも、最前線に出すには練度が不足なので後方警備要員になるとは思いますが。イメージとしては第2次大戦中のドイツのトート機関(工兵)みたいなものを想定しています。

 それ以外だと、12式地対艦誘導弾能力向上型を陸海空すべてのプラットホームから発射できるようにしてほしいですね。それも早急に。ひとまずはこれくらいです。

米陸軍の次期主力小銃SIGSAUER XM7の懸念点

 米陸軍は、現在主力のコルトM4カービンに代わる次期小銃(アサルトライフル)として2022年SIGSAUER社のXM7を採用しました。分隊支援火器である軽機関銃もこれまでのFN M249(アメリカで国産化されたMINIMI)に代わる軽機関銃として同じくSIGSAUER社のXM250を採用します。

 正式化後はXが取れてそれぞれM7、M250となると思いますが、2023年後半に初納入されるそうですからすでに更新した部隊もあるでしょう。歩兵の主力アサルトライフルと分隊支援火器は共通の弾丸を使用します。XM7、XM250はこれまでの5.56×45㎜NATO弾ではなく、新たに6.8×51㎜(.277FURY)弾を使用しました。

 アメリカ軍が何度もテストして採用したのですから性能的には申し分ないと思います。このあたり銃器の素人なんで断言はできませんが、まあそうなんでしょう。米陸軍はこれまでの5.56㎜NATO弾に威力不足を感じておりより威力の高い.277FURY弾を採用したそうです。ちなみに、.277FURY弾は7.62×51㎜NATO弾より初速が速いそうで、将来的には陸軍だけでなく海兵隊も採用する予定です。

 こんな銃に懸念点などないと思われるでしょうが、実は西側諸国に大きな問題が将来発生するのです。特に日本は死活問題になるかもしれません。日本の陸上自衛隊も89式小銃に代わるものとして20式小銃を採用しました。これも銃器オタはいろいろ批判していますが、まあまあ世界標準の優れた銃だという評価が多いです。

 しかし20式小銃は5.56㎜NATO弾を使用しています。しかも日本政府はケチなので調達予定の15万挺が揃うのは15年後とも30年後とも言われます。その時、アメリカは完全にM7、M250に切り替わっているはずで日米で弾薬の共通性が無くなります。これでは有事の際継戦能力に難がある日本は決定的に不利です。

 まあ、その前に有事が起こるから5.56㎜NATO弾で間に合うとは思いますが。NATO諸国も頭を抱えているかもしれません。イギリスも2022年5.56㎜NATO弾使用のKAC KS-1を採用したばかりですからね。

 せっかく20式小銃を採用したのに調達が終わる前に一気に旧式化しそうで怖いです。7.62㎜NATO弾の反動が強すぎるからと64式小銃で弱装弾を採用したくらいですから、6.8㎜弾で反動はどうなんでしょうか?日本人の体格に合うのか?昔の三八式小銃用の三八式実包が6.5×51㎜なんで大丈夫なのか?いろいろ疑問が湧きます。

 防衛省や政府関係者はアメリカとの共通弾丸問題をどう考えているんでしょうかね?弾丸が違うと有事の際の弾丸の融通もできませんよ。国防を真剣に考えてほしいと強く願います。

航空自衛隊の高射部隊

 台湾有事が間近にせまりシナのミサイル攻撃も可能性も高まりました。いつ起こるか分からないし我々の身近で起こるかもしれないので航空自衛隊の防空態勢について調べてみました。といってもあくまでネット上で集めただけなので薄い情報なのはあらかじめお断りしておきます。

 さて日本のミサイル防衛が二段階になっているのはご存じだと思います。敵が弾道ミサイルを発射した直後のブースト段階ではほとんど対処できず、高高度に達したミッドコース段階で海上自衛隊のイージスシステム搭載護衛艦がスタンダードミサイルで迎撃します。しかし完璧に防御することはできず必ず撃ち漏らしがありますから、大気圏再突入して着弾までのターミナル段階を迎撃するために航空自衛隊ではパトリオットミサイルがあります。

 ただこれはあくまで弾道ミサイル防衛であって、低空でレーダー網を掻い潜る巡航ミサイルや、着弾前に不規則な動きをする極超音速ミサイルの迎撃は非常に困難だと言われます。とはいえ何もしないよりはましなのでパトリオットの有効性はあると思います。

 航空自衛隊のパトリオット部隊は北部、東部、西部、南西の4個高射群に纏められています。各高射群は4個ないし8個の高射隊を隷下に持っています。1個高射隊は弾道ミサイル迎撃に特化したパトリオットPAC-3を搭載する発射機2基と、それ以外のミサイルにも対処能力があるパトリオットPAC‐2発射機3基から構成されています。

 少し古い資料だと高射隊は全部で18個だと書かれていますが、ウィキでは24個高射隊とされます。近年国防の危機になってきたので部隊増設されたのでしょう。それでも最大迎撃半径は160㎞(PAC‐2の場合、PAC-3で100㎞)しかないので日本全土をカバーするには絶対数が足りません。

 現状は北朝鮮がミサイル発射する兆候があるとき該当地域に派遣して対処していますが、台湾有事が起こってシナが日本にミサイル飽和攻撃仕掛けたときは対処できません。ですから国防は盾だけではなく矛である敵基地反撃能力が絶対必要なのです。トマホークミサイルの購入や12式地対艦誘導弾能力向上型の開発は良かったと思います。ただ、間に合うかどうかは微妙ですが。

 我々の命がかかっているんですから、平和ボケは卒業して最低限の軍事知識は必要ですね。

貨物列車の最大輸送量

 今回の記事はマニアックなので付いてこれない方が多いと思います。そいう方はスルー推奨です。

 さて、なんで貨物列車の最大輸送量を調べてみようと思ったかというと、有事の際1個師団の兵站を維持するためにどれほどの物資が必要か考えたからです。過去記事『近代船の補給』でも書きましたが、1980年代の数字だとアメリカの機甲師団の1日の必要物資量(砲弾、燃料、兵士の食料、水などすべて)は攻勢時で3000トン、防御時で3400トン必要です。現代の米軍は歩兵師団も実質機甲師団なので1日に必要物資量は攻勢時3200トン、防御時3900トンとさらに増えます。

 現代でも数値はほとんど変わらないと思います。もしかしたら若干増えているかもしれません。これに対し当時のソ連戦車師団では1日必要物資量攻勢時2150トン、防御時2300トンと米軍よりは少ないです。自動車化狙撃師団も同様。1日必要物資量攻勢時1900トン、防御時2300トンです。というのも戦時編制の米師団は2万名を超えるのに対しソ連の師団は1万5千人から1万6千人とちょっと少ないからです。ヘリの数も違いますしね。

 このように第2次世界大戦では主力だった師団はあまりにも膨大な物資を消費するため、ほとんどの国では旅団が主力となっています。師団編制が主力なのは世界一の超大国アメリカと、軍事費ではアメリカに次ぐシナ人民解放軍くらいでしょう。日本の陸上自衛隊は一応師団編制を基本としていますが、実態は甲師団で9000名、乙師団で7000名と他国の旅団程度の規模しかありません。しかも定数を満たない師団がほとんどだという絶望的状況です。いかに戦後日本が国防を軽視したかの証拠でしょうね。

 軍隊の補給ですが、海に面している所では船舶によるものが一番効率よいです。ベトナム戦争でも50万人とも言われる米軍の兵站を支えたのは船舶でした。それに次ぐのが鉄道で、一番効率悪いのが自動車輸送です。トラックは積載量が少ないうえに、トラック自体も燃料を消費するからです。これも過去記事で恐縮ですが、アフガニスタン紛争の時ソ連軍が兵站に苦しんだのは一部しか鉄道が通っておらず、山岳地帯を縫うように走っている道路網も悪路が多くアフガンゲリラの格好の攻撃の的になっていたからでした。膨大な兵站の負担がソ連崩壊の原因になったとも言われるほどです。

 この時ソ連が投入した兵力は十数万程度、このくらいでも10年も続けると負担は馬鹿にならないのでしょう。前置きが非常に長くなりましたが、本題に入ると鉄道輸送でどれくらいの物資が輸送できるか調べてみました。

 日本の場合、貨物列車の最大輸送量は650トンだそうです。これに対しアメリカの貨物列車は何と3200トンも一度に運べます。これは鉄道狭軌の問題なのかもしれません。狭軌というのは鉄道線路の幅が標準軌の1435㎜より狭いものを言います。日本の場合は1067㎜(3フィート6インチ)で、イギリスの鉄道を採用したからでした。アメリカの鉄道は標準軌の1435㎜で、この違いが輸送力の違いなんでしょうが、それにしても違いすぎます。

 3200トンだと貨物列車一編成で1個師団の1日必要物資をだいたい賄う事ができますね。日本の陸自師団が米軍の半分の必要物資量だとしても二編成必要です。これじゃ有事の際必要な場所に部隊を送り込めませんよ。もっとも本土決戦になった時点で詰んでいるのでそこまで心配することはないのかもしれません。日本の国防で一番重要なのは制海権を維持する事。それと連動して航空優勢も保つことが最優先課題なのでしょう。

 もし敵が上陸してきた場合、真っ先に狙うのは日本の鉄道網、そして高速道路でしょう。小規模な日本の師団だと鉄道輸送を止められた時点で弱体化しますからね。海に面した所だと船舶輸送が可能ですが、それには制海権を取らなければ話になりません。日本の国防上、鉄道輸送はあまり当てにならないという事です。ならば不整地でも着陸できるC-2をもっと増やせといいたいです。戦術輸送機なら戦車も運べるC-17グローブマスターが欲しいところですな♪

サール6型コルベット

サール6型コルベット写真

 イスラエル空軍に関する記事を書いたので今回は海軍です。陸軍、空軍に比べイスラエル海軍の印象は薄いと思います。イスラエルは伝統的に陸軍国で空軍も強いですが、海軍の重要性は他と比べたら低いです。とはいえ、周囲を敵に囲まれているイスラエルとしては海軍も必要です。地中海の制海権、シーレーンは米第6艦隊が掌握しているんですが、イスラエル近海の防衛は自国海軍が担当しなければなりません。

 イスラエル海軍は、大型の駆逐艦、フリゲートは保有していません。主力は小型のコルベットとミサイル艇です。それと若干の潜水艦。2000年代初頭までは満載排水量1275トンのサール5型(エイラート級)が主力でした。これに対し満載排水量1900トンとやや大型になったのがサール6型(マゲン級)です。2020年就役。

 サール6型は、コルベットとしては大きな方です。驚くべきはその武装で、こんな小さな船体にバラク8SAMを32セル、C-Dome近SAMも20セル積んでいます。バラク8は70㎞以上の射程を持つ対空ミサイルで一説ではスタンダードSM-2MRに匹敵する性能だとも言われます。C-Domeは名前からも想像できる通り、近距離防空ミサイルとして世界的に評価されるアイアンドームの艦上型です。

 加えてSSM(艦対艦ミサイル)を16発も搭載しています。通常の倍です。他国では8発が標準です。76㎜単装砲1基、324㎜魚雷発射管にSH-60ヘリコプター1機も搭載できます。1900トンの船体に詰め込めるだけ詰め込んで復元性はどうか?外洋航行能力はどうか?と心配になってきますが、イスラエルの近海で活動するだけなので割り切った設計なのでしょう。

 通常の海軍なら5000トン級の駆逐艦かフリゲートに載せるくらいの重武装です。設計はドイツのブラウンシュバイク級コルベットに基づいているそうですが、ブラウンシュバイク級の方がはるかに軽武装です。ドイツ海軍の場合は大型のフリゲートがあるのでコルベットにそこまでの武装は必要ないのでしょうが、イスラエルはこれが主力艦なのでこうなったのでしょう。速力も26ノットとちょっと遅いです。

 機関はウィキでは単にディーゼルと書いてありますがCODADかCODOGかディーゼル単機関か良く分かりませんでした。外洋に出ないのならガスタービン機関は必要ないのかもしれません。仮想敵国のエジプトもシリアもろくな海軍戦力はありませんからね。

 ちなみに前級サール5型の機関はCODOG(ディーゼルとガスタービン切り替え)で33ノットの速力を誇ります。

 今後サール6型コルベットは中東紛争で名前が出てくるかもしれませんのでご注目下さい。
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歴史好き、軍事好きの保守思想の持主です。最近は時事ネタが多いですが広い気持ちでお許しください。本来は歴史ブログだったんですよ。

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