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大清帝国Ⅲ  摂政王ドルゴン

 ホンタイジが創始し以後清朝の基本軍事制度となった八旗兵。旗はもともと満洲人の社会組織を基にしており白・黒・紅・藍など8色の旗に分けられていました。最初に作られたのは満洲八旗です。ついで帰順したモンゴル人を組織した蒙古八旗、降伏した遼東の明兵を組織した漢人八旗ができました。満洲八旗、蒙古八旗は騎兵、そしておそらく遼東の明兵を組織した漢人八旗も騎兵主力だろうと想像できます。

 八旗に属した者を旗人と呼び、清朝の支配階級を形成しました。漢人八旗ですら、同じ旗内はもとより支配階級であった他の旗人と通婚を重ね明滅亡後に仕えた漢人たちとは一線を画した存在となります。そして清朝滅亡後は、漢人には戻らず満洲人になったそうです。

 清朝が成立すると、ヌルハチは太祖、ホンタイジは太宗という廟号を贈られました。明朝との対決の姿勢を鮮明にしたホンタイジでしたが、山海関と寧遠城を守る呉三桂の攻略は難航します。はっきり言って呉三桂は凡将でしたが、それだけ明帝国が威信をかけて築いた北方防衛線山海関と寧遠城は難攻不落だったのです。

 そこでホンタイジは、山海関ではなく搦手の大同方面やオルドス方面からの浸透を図ります。これはある程度成功しますが、山海関を中心に明の精兵15万がいる以上正面をがら空きにするわけにもいきませんでした。清軍が意外に苦戦しているのを見た属国李氏朝鮮は清を侮り再び明と結んで抵抗しようとします。ホンタイジはこれを放置できず、1637年自ら12万の軍勢を率い朝鮮に遠征しました。

 朝鮮軍は清軍に連戦連敗。あっという間に朝鮮国王仁祖のいる南漢山城は包囲されました。籠る朝鮮軍はわずか1万2千。朝鮮軍は国王を救出しようとしますが成功せず、ホンタイジの勧告を入れ降伏しました。結局降伏前よりさらに厳しい条件を科せられた属国とならざるを得なくなります。何のために離反したか全く無意味な結果に終わりました。

 朝鮮問題か片付くと、ホンタイジは1642年アバタイを大将に任命し本格的な征明軍を動員します。当時明国内では李自成、張献忠の農民反乱が手を付けられないほど拡大しており絶好の機会だと捉えたのです。ところがホンタイジは1643年8月瀋陽清寧宮で倒れ急死しました。享年51歳。

 またしても清朝の危機です。そして今回も後継者は決まらぬままでした。有力な後継者候補はヌルハチの第14子叡親王ドルゴン(1612年~1650年)、ホンタイジ長男粛親王ホーゲです。ここでドルゴンについて語りましょう。ドルゴンの母はヌルハチの第4正妃アバハイ。ヌルハチが最も寵愛した女性でしたが、頭が良く野心家でした。自分の産んだドルゴンを後継者にするため画策し、ヌルハチはこれを危険視します。ヌルハチは死に先立ち一族にアバハイを殉死させるよう命じました。

 アバハイは遺命を受け従容と死を受け入れますが、一族に息子ドルゴンの安全を保障するよう求めます。この願いは聞き入れられました。ドルゴンも母同様聡明でした。母が死んだときわずか15歳。その後順調に成長し異母兄ホンタイジの下でチャハル部討伐などで功績をあげ皇帝の一族愛新覚羅(あいしんぎょろ)氏の実力者になります。

 ドルゴン一派とホーゲ一派は皇帝位を巡って暗闘しますが、どちらが勝っても分裂は避けられませんでした。そこで両者は歩み寄りホンタイジの第9子フリンを即位させることで決着します。フリンはわずか6歳でした。後に漢風に順治帝と呼ばれるので以後この名前で通します。

 順治帝即位の後も両陣営の対立は治まりませんでした。結局政治力に勝るドルゴンが勝ち、ホーゲは謀反の罪を着せられ失脚します。1647年、ドルゴンは摂政として幼帝を補佐する事になりました。ドルゴンは順治帝の生母と結婚し幼帝の義父となる念の入れようです。事実上清朝の最高実力者となったドルゴン。彼のもとで清は大発展を遂げることとなります。

 先帝の遺志を引き継ぎ、ドルゴンは本格的な明攻略の準備を始めました。ところが1644年4月、北京が李自成の反乱軍に落とされ崇禎帝が殺されるという大事件の報告がもたらされます。そして間もなく、山海関の守将呉三桂から「李自成を討つから兵を貸してほしい」という要請が来ました。

 ドルゴンは素早く決断します。そしてこの決断が清帝国が支那大陸を制覇するきっかけとなりました。



 次回、明帝国の滅亡と清軍の長城越えのついて語りましょう。
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